地球的見地

P. Abdelfattah Amor

国連人権委員会宗教的非寛容に関する特別報告官であるアブデルファッタ・アモール教授は、1999年に次のように書いています。

 

「どんな宗教や信仰の自由の調査でも、世紀末を特徴づけた数多くの宗教が復興した点に焦点をあてる必要がある。この宗教の復興によって、寛容の精神の増加や、気づき、自由の増加が起ることを予期すべきだろうか?もしくは、宗教復興は、非寛容性や差別、いきすぎた極端主義を生み出し、より暗黒の邪悪な状況に直面することになったのであろうか?」

 

すべての人は皆、思想、良心並びに宗教の自由の権利があり、このことは、いくつかの法律に関する公文書、中でも最も重要な世界人権宣言18条の中で次のように保障されています。(1948年)

UN Geneva

1981年11月、国連総会で、次の「宗教または信条に基づくあらゆる非寛容や差別撤廃宣言」が採択されました。国連加盟国がこの宣言文に合意するのに1960年代始めから20年近くかかりました。この宣言文は、宗教または信条の自由の権利のための国際標準を設定するための規範文書として捉えられています。

宣言文第1条:

1.すべての者は、思想、良心及び宗教の自由についての権利を有する。この権利には、自ら選択する宗教又は信念を受け入れ又は有する自由並びに、単独で又は他の者と共同して、公に又は私的に、礼拝、儀式、行事及び教導によってその宗教又は信念を表明する自由を含む。

2.誰もその人が選んだ宗教や信仰の自由を害するような抑圧を与えてはならない。

3.自身の宗教や信条を表現する自由は、法律によって規定されている範囲内という制限があり、このことは、公共の安全や、健康、道徳または、他者の基本的人権や自由を守るために必要なことである。

 

8カ条からなるこの宣言の全文は、次のホームページを参照して下さい。 www.un.org/

宗教的自由ケーススタディ


ここに実際の宗教的自由の実例があげられています。あなた自身で分析してみてください。そして、宗教的自由の権利の保護が必要とされている場合に、その権利を確固としたものとするために重要なことは何か考えてみましょう。

次の研究事例は、IARF季刊誌に掲載されたレポート宗教的自由の否定に関する世界の問題から抜粋されたものです。「世界の問題」については、次のホームページに掲載されています。www.iarf-religiousfreedom.net

 

IARFニューズレターは、年4回刊行されており、他の世界的問題の記事は、次のホームページの「Global Issues」の欄で読むことが出来る。www.iarf-religiousfreedom.net

次の最新号は、非常に異なる社会的、政治的状況下にあるインドや中国等の国々における主な宗教的自由に関する問題が掲載される予定である。

 アムネスティのウェブサイトへは、次のアドレスへ。www.amnestyusa.org/interfaith/persecuted

 

  • 世界人権宣言第18条ならびに、「宗教または信条に基づくあらゆる非寛容や差別撤廃宣言」第1条をよく読んで下さい。
  • これらの条文をあなたは、どう思いますか? もっと明確にされるべきところがありますか? または、明確すぎる(もっとあいまいにした方がいい)と思いますか?
  • 今まで、他の宗教についてどのように学んできましたか? 自分の宗教以外の宗教で、あなたのよく知っている宗教をもつ人たちが、彼らのニーズ(礼拝をする、集会をもつ等宗教的なニーズ)を満たすことについてどう思いますか?

  • もしあなたの宗教的自由が否定されたとしたら、(どのように宗教的自由を否定されることになったか分かりませんが)、このケーススタディーは、役に立つと思いますか?

  • このケーススタディーを読んでみて、2つの国際条文(上記18条と上記1条)は、適用できると思いますか?できないと考える場合は、この2つの条文をよりよい文章にかえることは出来ますか?

注釈:もしあなたが「宗教または信条に基づくあらゆる非寛容や差別撤廃宣言」の全文にアクセスしていた場合は、あなたの分析にその内容も含めて下さい。